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酪農・牛乳の知識
牛乳の知識
牛乳は完全栄養食品

遥か昔から、牛乳は人の生活と深く関わってきました。 人類が牛や山羊や馬などの乳を飲みはじめたのは、約1万年前頃ではないかといわれています。 ミルクは哺乳類の最初の食べ物で、これほど完全な栄養食品はありません。 なぜならミルクには、良質なたんぱく質や脂質、カルシウムなど 小さな命を育てるために必要な栄養がいっぱい入っているのですから。 手軽に飲めるコップ1杯のミルク。 その他に、命を支えてくれるどんな栄養素が含まれていて、 それがあなたの体にどんな働きをするのか、詳しく見てみましょう。
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牛乳には、とても良質なタンパク質が豊富に含まれています。なぜ良質なのか。その理由は体の中では合成されない必須アミノ酸を含む19種類のアミノ酸がバランスよく構成されているからです。 タンパク質は血や肉、骨や皮膚、髪の毛にいたるあらゆる細胞を作る大事な栄養素ですが、ホルモンの生産や免疫物質などにも関わっています。またタンパク質の一種であるグルタミン酸は、頭の働きをよくする物質を作りだします。牛乳のタンパク質の多くはカゼインと呼ばれるものですが、これを固めたものがチーズなのです。
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牛乳の脂質は乳脂肪といわれます。小さな脂肪球の形で1ミリリットル中に20~60億個も分散しており、そのため脂肪分解酵素作用が有利に働いていて、消化吸収率が97%と高いのです。 脂質はエネルギー源として元気をくれますが、その構成要素は体のすべての細胞やホルモン、胆汁酸などに必要です。またビタミンA、D,Eの吸収や貯蔵、神経の働きにも深く関わっています。
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牛乳を飲んだとき、かすかな甘味がありますね。牛乳の糖質はほとんどが乳糖です。乳糖は哺乳動物の乳に特有のもので、幼児期の脳細胞の発達に欠かせません。腸の働きを整えるので、便秘にも効果があります。また、カルシウムの吸収を助け、鉄の吸収を促進します。重要なエネルギー源としても筋肉の収縮や体温の維持、病気への抵抗力などに関わっています。ブドウ糖も含まれていますが、これは脳のただひとつのエネルギー源です。
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牛乳は母乳の成分に最も近いといわれますが、カルシウムの量に関しては牛乳のほうが4倍近く多く、カルシウムの補給に最も適しているといわれます。それはコップ1杯の牛乳(200ミリリットル)にカルシウムが200ミリグラムも含まれていることに加えて、牛乳に含まれるたんぱく質や乳糖などの働きで、吸収率が50~70%と高いからです。ほうれん草などの野菜類が約20%、小魚類が約30%ですから、その吸収率の高さは、際立っています。 また、カルシウムは骨や歯の形成、血液の凝固、ホルモンの分泌、免疫機能などに深く関わり、筋肉の収縮や心臓の鼓動を一定に保つという大切な役目も持っています。さらに神経の興奮を抑えるので、イライラや情緒不安定を防ぐのにも効果的です。よく眠る前にコップ1杯の牛乳を飲むと安眠できるといいますが、その訳はこんなところにあるのです。
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牛乳に含まれる主なビタミンは、AとB2です。Aには二つの形があり、一つはレチノール。これは子供の成長を促進し、目を健康にするのに必要です。もうひとつはベータカロチン。これは組織の損傷を保護するのを助ける特性を持っています。ビタミンB2は、200ミリリットル中に約0.30ミリグラム含まれています。栄養分の代謝を高め、食欲をわかせて成長促進作用に大切な役割を果たしています。 その他にもビタミンB1は、疲労回復にも効果を発揮しますし、ビタミンEは老化の原因と思われる過酸化脂質を防ぐ働きがあるので、老化防止ビタミンとして注目を集めています。
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